日本刀は武士が身を守るものであり、武士の魂などと屡々云われることがあります。そのようなことを云われても違和感のない刀は、明治初年頃までのものではないか、などと思っています。
刀の鑑賞には、姿や刃文、また地鉄を観ますが、更に、製作された当時の所有者や時代背景なども大いに興味を引くところです。
しかし、現代刀では、身を守る刀としてではなく、専ら観賞用に供されるものとなり、外観的に昔の刀に似せた感がします。
ところが、時代的な価値がない現代刀には、新たな魅力を作り出せる大きなメリットがあると思います。所謂美術的観点から作られた刀です。それは、大きめの刀であり、長さは二尺五寸以上あり、身幅・重ねともに広く厚くがっしりとした刀です。
二尺三寸くらいの定寸の刀では現代刀としての魅力に欠けてしまいます。大きいと云うことは、それだけで魅力がわくものです。特に、力仕事をされている方には人気があるようです。