そうなんです、刀は借り物なのです。
それは古より現代に至るまで人から人へと歴史を刻みながら伝えられてきたもので、名の知れた刀から、それ程でもない刀までが、また、正真物のみならず偽銘のものまでもです。更にこの先未に向けても伝えて行かなければ成りません。
人の寿命の何倍もの歴史を持つ刀ですから、自分はその流れの中で刹那な一時を楽しませてもらっているのだと思うと、究極の物を追い、より良い刀、良い刀をと求めてみても儚くも感じられます。
財力に任せて縦横に蒐集すことが出来る方や、刀剣学の学者を目指すような方は別として、一般的には自身のお小遣いの範囲で楽しめる物を求めるのがよいのではないでしょうか。そして刀剣の勉強が進に連れステップアップすればよいと思います。
正真の有名刀工の作品は高価です。多少の瑕疵があっても安価で充分楽しめる物があります。自身が楽しんだ後は、また何処かの誰かがその後を継いで行くものです。所詮刀は借り物です。ですから刀を大切に扱いましょう。