ナビゲーション

日本刀の値段はどう決まる

日本刀には名家より伝来の有無、刀が製作された年代の違い、古来より試し斬りをして刀を評価し表した、最上大業物・大業物・良業物・業物(古今鍛冶備考)等のランクがあり、また、刀剣研究者が刀の出来を評価した位列が、最上作・上々作・上作・中上作等とあります。これらの事が刀剣の価格に大きく影響を与えていることは云うまでもありませんが、同じ刀工の作であっても作品の出来には良し悪しがある場合があります。では良い刀と云うと、一般的には刃が明るい・地鉄が冴えている・刃中に働きあるなどが挙げられますが、鋒から区まで刃の出来や地鉄の鍛えが均一であることが重要となります。従ってこの事により同じ刀工の作でも価格に差が生じると云う訳です。またマイナス要因としては、偽名や再刃は論外ですが、中心が磨上げてある、無銘または銘が切れている、疵がある、長さが短い(二尺三寸未満)樋など後から彫りを施している等が挙げられます。刀剣の種別には刀(太刀)・短刀・脇差等がありますが、それらの価格体系はと云えば、一般的には長さが二尺三寸(69.7cm)の刀を100とした場合、短刀は50、脇差は30といった割合になっています。また刀は二尺三寸の長さを切ると割安となり、更に二尺一寸を切ると相当値が下がります。また鑑定書の種類によっても価格に影響を与え、保存刀剣・特別保存刀剣・重要刀剣・特別重要刀剣・重要美術品・重要文化財等と上位に鑑定書・指定書が上がって行くに従い、値段も倍単位で上がっていくような向きがあります。

日本刀の相場は

気になる処の相場ですが、これは需要と供給によるバランスで変化するものです。人や生活環境が変化している昨今の状況下では、かつてのような刀剣ブームの再来は期待するこが難しく、価格は下がっています。実際の取引価格はと云えばと、ここに書くことは問題があるので控えさせてもらいますが、一般の方でも既に内情をよくご存じの方もいますので一つ脇差を例にとって見ましょう。平成24年はこの辺りが底値ではないかと云われて、その状況の中では、新刀の鎬造で一尺五寸前後の標準的な長さで白鞘入り、中心は生ぶ在銘、位列は中上作、地刃の出来は乱れ刃の並であり、保存刀剣鑑定書が付いたもですと、実売価格は大凡19万円前後でしょうか。その中でも、出来の優れた物には特別保存刀剣鑑定書が付くと38万円前後になります。
また、刃文が直刃になりますと前述の約半値になります。
また、刀身に疵があったり、中心(なかご:握る部分)が生ぶではなく、磨り上げ(目釘孔が複数になる場合があう)や、区送りなど手を加えている場合も約半値になります。
ここで云えることは全体的に並出来の作品の値段は市場環境に大きく左右され易くなると云うことです。
勿論刀は一振り一振り同じ物はなく、製作年代・姿形・刃紋・中心の銘や年紀の有無・疵・錆び・鑑定書の内容・人気度・仕入人の思い入れなどで取り引き価格は変わってきますし、景気にも左右されます。しかし、そのような中でも知名度も高く出来の優れた物などはあまり状況に左右されないようです。

刀に何を求めますか

近年のオークションの出品にも日本刀が数多く見られます。今ある日本刀は全てに銃砲刀剣類登録証が付いており、これは美術的価値のあるものとされています。
御存じのように日本刀には国宝・重要美術品等のものばかりでなく、傷など欠点のある美術的価値の低いものも多く存在します。しかし、業者にはそうしたレベルの低いものであっても流通させる必要があるのです。以前はこのような低レベルの刀剣を流通させる大きな役割を果たしていたのが、ノークレーム・ノーリターンを謳っているオークションでした。
元来、刀剣を購入するには刀屋に足を運んでじっくり刀を見て、納得してから決めるのが当たり前のことです。
刀の買い方がよくわからない人達には日本刀オークションは手っ取り早い購入手段でしょう。しかし、オークションで購入した人の中にはひどい物を掴まされ後悔している人もいます。
昨今では、オークションのみで日本刀販売を行っている業者さんが多くいるようです。売り方には仕入れ値に近い値段でも落札させることもあるようで、刀剣の販売にも影響が出るのではないかと危惧されます。
皆さんは何故日本刀を購入するのでしょうか。勿論刀が好きであることには違いはないでしょうが、とりあえず一振りの刀を手にすることから始まるのでしょう。
美しい物には人の心を癒す力があります。日本刀にも同じことが云え、美しい刀を見ることが大切です。自分の感性に合う刀を得るには刀屋を回るしかありません。