刀剣愛好会は刀剣女子と呼ばれる女性達の進出により上向き傾向が続いてきた感があります。また、ネットオークションでの刀剣販売も急増し、日本刀が身近に感じられるようになってきました。
以前の刀剣愛好家は刀の位列は元より刀身の出来に感心があり、より地刃の出来が良い物を求め、拵えは二の次になる傾向があったように思われます。
しかし、刀剣愛好家の裾野が広がるとともに純粋に刀身の美しさに惹かれると云うより、寧ろ外見的な魅力と云うか侍文化に感心があるのか、拵え付の刀が彼らの関心を引いているようです。
刀好きの人間には少し残念でならない。刀身の美しさを求めようとせず、外装が付いていれば中身の刀身は錆びと刃こぼれがなければよしとする人に。
また、拵には見処として柄を飾る頭・縁、鞘の鐺等の金具に施された彫物や、その材質などにも価値の違いがあり、大きな鑑賞のポイントです。
ある意味、鑑賞に値しない多くの刀も行き場が必要ですが、地刃の出来に刀剣の真の美しさがあることを知って頂きたい。