日本刀の価格が下落するようになってから久しくなりますが、今はどうなっているのでしょうか。
名刀と云われる刀は別として、一般的に多くの人が購入できる価格帯の刀が気になります。
特別保存刀剣の鑑定書が付いた刀は、それなりに選別されたもので評価されるべきものです。然しながら、刀剣価格が低迷しているのは、一つにはインターネットオークションに依るところは否めません。
今、そのネットオークションの出品者を悩ませているのが、売り切りでの落札です。
この売り切りと云う落札は、入札が止まったところで落札されるものです。出品者の値段設定がないので落札価格は安くなる傾向で、これが落札価格の新たな基準になって行きます。
この売り切りなるオークションが行われるには、幾つかの要因がありますが、一つには委託によるネットオークションへの出品です。
この場合、出品者の落札希望価格は受け入れられない場合が多く、入札が止まった時点で落札されます。委託業者にとっては、手数料が目的ですから、落札金額が幾らでもいいわけです。
しかし、実はこの事がオークション出品業者の首を絞めていることにもなっているのです。要するに前述のことにより、落札価格が既成事実化され、入札が上がっていかないのです。強いては特別保存刀剣鑑定書が付かない、巷の多数の刀剣価格を引き下げていくのです。
では委託でオークションを利用する人はどの様な人でしょう。まず、刀の処分で早く換金をしたいとする人です。委託にしても定価売りする方法では、売れるまでに時間がかかってしまうからです。
刀が家から出てきたとか、遺産相続したと云ったものでしょうが、特に刀剣には興味がない、刀は危ない物だとする人が早く換金をしたがるのでしょう。
また、そう云った意味で、買い取り業者に売り、安く買い取った業者がネットオークションに出品することがあるかも知れません。