日本刀展示会の運営

5月7日にフォレスト・イン昭和館の9階眺林の間で「多摩の名刀展」が開催されました。
私も開催日前日からの準備に携わることができました。
前日は午後2時よりショーケースの搬入が行われ、同時に小道具類の展示用テーブル等の配置を行いました。ショーケースの中には枕と白布を敷くまでとしました。
当日は、午前8時より展示品を並べる訳ですが、各ショーケースに入れる46振りの刀剣などレイアウトを事前に決めておいたのですが、いざ刀を置いてみると、刀・脇差・短刀などが混在するショーケースでは、作ってきた展示用枕に不具合がでるなどでちょっとした問題が起きたりもしましたが、概ね立派な展示の設営ができました。
出品の刀剣は古刀が18振り、新刀が16振り、新々刀が7振り、現代刀が5振りで、皆さん良い刀をお持ちになっていると感心させられました。
また、主催者の昭和の森芸術文化振興会の取り計らいで出品目録も冊子形式の立派なものを作って頂きました。
出品目録
開催は一日だけでしたが、観覧者の方からは一日ではもったいない等の多くの声が聞かれ、観覧だけでなく講演も行い盛況の展覧会となりました。女性の入場者も多く講演会でも熱心に質問をされている女性がいます。
近年ではツイッターで刀剣展示会の情報を載せている処もあり、また、展覧会へ参加しての感想などなどを発信していて活発に活動をしている女性も多くいるようです。
会場内では写真撮影は禁止となっていましたが、こうした画像をツイッター等にアップすることで情報交換や相互の交流に繋がることを考えれば、一律に撮影禁止をすることは如何なものかと思いました。
地域での刀剣展開催であることは、刀剣類の展示に適した会場となると仲々難しく、為にセキュリティー上の対策が大きな問題点となります。
鍔など小道具や拵は直接手が触れてしまう所に置かなければならなかったので、場内警備には相当の気配りが必要でした。
営利が目的でないため、入場が無料の地域展覧会では、ショーケース等の費用が大な負担となってしまいます。

長期在庫品の中に良い刀がある

お客様にこんな質問を頂くことがあります。
刀を買いたいお客様の中にはネット販売の商品一覧を見て、「この刀はアップしてからどれくらい経ちますか」と聞かれるお客様が居ます。
恐らく新着間もない品が良いのでしょうか、長期間在庫として残っているのは、きっと何処かに問題のある刀であると思い敬遠しているようですね。
これは刀を恰も生鮮食品や量産された工業製品のような見方をして、時間が経った売れ残りは欲しくないと云わんばかりの様に受け取れてしまいます。
しかし、刀剣は元来が中古品であり、そうしたことは関係ないと思うんです。

実は、古い在庫品にはよい刀が多いのですよ。
大体にして、刀屋は「良い刀は自分の処で所有しており、そうでもない刀は売りものとしている」とは言い過ぎですが、実際良い刀は多く刀屋にあります。
一般的に刀屋の人は方が好きなんですね。ですから良い刀は自分で持っていてもよいと思っていますから、売れなければ何時までも店に在庫としてあるのです。
極端な話、個人的な趣味と違う物は早く売って店を回転させるのが好ましく、その刀が売れなければ別の業者に流し、処分をしてまた新たに刀を仕入れるものですから、一見新着品の動きが早いのでお客さんはそこに目を奪われてしまうのでしょう。
刀好きの皆さん、刀屋の古い在庫品の中には良い刀があるものです。この事を理解して刀を購入する場合の判断にすることをお勧めします。