刀の買取値段や評価が上がるもの

刀の趣味は一代限りと云われます。年齢と共に二尺三寸の刀から一尺の短刀へと好みは移っていきますが、何れ処分を考える時は来るものです。充分に楽しんだ後は、未練なく次の愛刀家に継いで頂きたいと願います。
大切にしてきた愛刀の処分を家族に任せるようでは、死んでも死にきれませんね。また、危険な物を残されても家族にとっては迷惑となるでしょう。
千年の命を持つ日本刀に、貴方はその歴史のひとコマを確かに刻んだのです。そして、来世に再会を願って…。
買取の正確な査定を行うには現物を確認することが必要となります。素人目で良い刀と思ってもプロが見れば大したものではない場合や、また、その逆もあります。まずはお店と連絡をとりましょう。

買取の値段や評価が上がる刀は
1,ある鑑定書が付いている場合です。それは、日本美術刀剣保存協会が鑑定した新しい鑑定書等で、保存刀剣鑑定書・特別保存刀剣鑑定書・重要刀剣指定書等です。この保存刀剣鑑定書以上が付いていると言うことは、銘の真贋は元より在銘・無銘に関わらず、刀の最大の欠点である刃切れが無いことです。その他の鑑定書の場合では余り評価されない場合があります。
2,在銘の生ぶ中心(なかご)で目釘孔は一つがいい。古来より、「中心(なかご)千両」と云われてきている程に大事であり、手で握る部分の中心(なかご)には評価を大きく左右するものがあります。銘の有無や真贋を初め、中心の尻を切って磨上げしているものや、区を送っているもの、また、目釘孔が二個三個とあるものより、要するに製作当時のままであることが大事となるのです。また、錆び色は良いか、朽ち込みはないかなども見られます。
3,刀の長さは、刃長が二尺三寸(69.7cm)以上のものは評価が上がります。江戸時代より刀の長さは標準として二尺三寸が規定されきたことによるもので、これより短くなると評価は下がり、二尺一寸を割ると激安となります。
4,刀身は綺麗に研磨されていて鍛え傷や刃こぼれ、錆び等が無いことです。発生してしまった錆びを取るには研ぎ師に依頼するしかなく、その値段は約8,000円/一寸(3cm)の単価となります。また、錆の中でも黒色や蜘蛛の巣状の錆は深く浸透するため重欠点となります。また、鍛え傷が出ていると美観を損ねるため評価は下がってしまいます。また、傷の出た場所により修理不可能で重欠点にもなります。更には、白鞘まで作り直すことにもなります。小さな錆びでも研ぎを背負っている場合の評価は下がります。
5,外観が健全な刀身であることです。製作当時から数百年経っていますので、その間に何度も刀身が研がれて来たものがあります。これらは、長年の間の研磨により刀身が痩せ細ってしまっています。要するに、あまり大切にされてなく、酷使されてきた刀と云うことです。
6,刃紋は乱れているものが評価は高くなります。刃紋は人により好みに違いがありますが、一般的には真っ直ぐな直刃と呼ばれる刃紋よりも、波を打ったように乱れた刃紋が好まれるのです。
7,外装は打刀拵が付いているものがいいです。嘗ては刀は白鞘に入っただけでも売れていましたが、現在では、外国人が拘るような外装、所謂打刀拵が付いているものが日本人の間でも好まれるように変化してきました。白鞘だけでの販売は難しい時代なのです。
実際に刀を査定するには、まず、その刀の刀工(製作者)の位で大きく左右されます。刀には昔から位があり評価されて来ており、またランク分けされていて、最上作・上々作・上作・中上作等に区分されています。ですから、大凡の時価でその刀工の最高出来の値段があり、そこから上述した事項を減点方式で行っていくことになります。それらの値段は実売価格ではなく、業者間の取引値において算出されるものです。