戦跡としての軍刀

毎年8月になると終戦記念日とともに、太平洋戦争の記憶を忘れまいとする報道で様々な紹介がなされます。
戦後73年となった今、戦争体験者の年齢は90歳越え、戦争の悲劇を伝える人が少なくなりました。
実際あった戦争をどう伝えていくのか。そうした動きの中、今、戦跡が注目されています。
気が付かないでいるが身近にもある高射砲の土台跡であるとか、海底から引き上げた軍艦の砲身であるとか、それらの保存していく中で、戦争を知らない人に実際に過去にあった戦争を知ってもらおうとしています。
こうした取り組みにあって、最も身近に個人で実感できるのが軍刀ではないでしょうか。
軍装コレクターもいるでしょうが、それとは別の意味で、軍刀は昭和の歴史を留めた物として、個人で持てる唯一の戦跡と云えるのではないでしょうか。

軍刀を欲しがる中国人

嘗て日本と中国とでは戦争を行っていた歴史があります。 米国を中心とした連合国との間で戦った太平洋戦争と合わせて大東亜戦争へと突き進んで行ったわけです。

日本は米軍の二度にわたる原子爆弾の投下によって、昭和20年に連合国に無条件降伏する事となります。 それに伴い中国との戦争も終わらせる事となり、日本の敗戦という形になりました。

旧日本軍の軍刀と云って頭に浮かぶことは、中国人をいじめた凶器であり、中国人にとって忌まわしい物であろうと想像します。
そのような事であろうから、さぞかし軍刀は中国人に嫌われていると思っているのですが、意外にも中国人は軍刀を買うのです。 それも特に、靖国刀や当時の最上大業物に列挙された刀匠の刀が入った軍刀がよく売れます。

何故、中国人は軍刀を欲しがるのか疑問を持ちますが、ある中国人バイヤーの話では、中国と日本は戦争をしてましたが、日本が負け中国が勝った。 だから中国人にとって軍刀は戦利品であると思っている人がいる、と云うようなことを言っていました。

日本人の中で日中戦争で日本が負けたと思っている人はまずいないでしょう。 あの戦争は途中で止めただけで、日本が負けたわけではないからです。

その論議は別として、中国では靖国刀が入った軍刀は120万円位で売れると云うから驚きです。 日本人の軍刀コレクターにとって、良いものを探すのも難しいことです。

刃切れの刀に注意

古来より刃切れのある刀は無条件で取引をキャンセル出来ることは不文律の決まり事です。
要するに刃切れの刀は、その部分から折れると云われて来たためです。

では刃切れとは如何様なものであるかと云うことですが、それは、刃先から水平に地に向かい亀裂が入るものですが、一見では見落とす場合があります。
刃先から水平に細い筋状の白い線となって見える場合があります。長さは様々で肉眼では分からない位のものから、長く5mmも刃切れとなって現れるものもあります。
現れる場所も様々で、物打ち辺に出たり、区の近くで足り、また、一か所だけでなく数か所に出る場合もあります。

業者の交換会でも気付かずに出品し、ほかの業者の指摘で刃切れが分る場合もあるので、一般の人では気付くのが難しいでしょう。特にネットオークションを利用し購入される方は特に注意が必要です。

日本美術刀剣保存協会では、保存刀剣の審査では初めに刃切れの確認を行うなうようです。
刃切れのある物は全て不合格となるのです。

しかし、刀身に刃こぼれがあっても、それは問題にはなりません。
言い換えれば、不合格となった小さな刃切れのある刀は、その部分をちょっと欠いて刃こぼれにしてしまえば問題なしとなるのです。

世の中には刃切れの刀を見つけては買っている人がいるのです。
皆さんは真似をしないでください。

新規に拵の製作をお考えの方

お客様より、新規の拵製作のお問い合わせが御座います。

白鞘での所有から、打刀拵を作り飾りたいとお思いの方、また、軍刀拵に入った刀を持っているが、打刀拵を作ってもみたいとお思いの方がいらっしゃいます。

大概の方は、刀身があるので、拵の注文をすればいいと漠然と思ってらっしゃるでしょうが、色々あるのです。

まず、拵には最低でも必ず、鍔・縁・頭・目貫等の金具が必要となります。
これは、拵の工作とは別で、拵の製作をお願いするときには、金具を揃えて職方さんに渡します。

この金具によって拵全体の値段が大きく変動するのです。
鍔にしても、安い鉄鍔でよいのか、透かし鍔がよいのか、網代鍔のよなものがよいのか。高価な赤銅の鍔がよいのか等の判断が必要です。要するに、作ろうとする拵は鑑賞を目的とすものか、居合用の武具とすものか等を含め、どの程度の物にするかと云うことです。

ただ、安く着くりたいと思えば、縁・頭など無地の鉄材を使った拵になるでしょうが、鑑賞用ともなれば、縁・頭・目貫・鍔などデザインの揃った金具で統一することになり、金具を揃えるのも大変であり、高額となります。更に、揃えた金具がお客様の意向に沿うものか如何かもあります。
また、小柄や笄も揃えるとなると大変です。

拵を作ろうと思ったら、縁・頭・目貫・鍔をどの程度のものにするかを、明確にしておくことが大事となります。また、金具をご自分で揃えることが出来ればなお結構なことです。
また、予めご予算を決めておき、注文することも良いと思います。

刀工名を指定して刀を買う方法

刀剣の趣味も幅が広く、最上作・上々作を中心にお探しになる方、また、歴史上の有名な人物が所有していた刀、若しくは同じ刀匠が鍛えたものなど、刀工名で探しになることなどがあります。

刀剣販売店としては、お客様にご満足して頂けると自負出きる品を選んで揃えております。然しながら、すべてのお客様のニーズに合うものとまではいきません。

刀工を指定し、この刀が欲しいのですが、如何したら購入出来ますか?
と云うご質問が御座います。

一般的な商品は工場で製造され、卸業者に集まり、小売店に並ぶという流れになるでしょう。
刀の場合は、こうした物流のように、卸業者の所に全国ら刀が集まるようなことはありません。

刀の仕入れは、業者が集まる市場で取引されますが、そこには全ての刀工の刀が集まるわけではありません。
作刀数の多い刀工は残された作品は多いですが、作刀数が少ない刀工の作品は自ずと少なくなります。
刀剣は過去に作られたもので、それらは全国各地の人手に渡り大切に所有されています。 その中から、ご不要となったものを刀剣店が買取させて頂いております。 所謂、買取が刀剣店の主な仕入れになるわけです。

刀剣業者の市場での仕入れとは、自店の商品の入れ替えのため、自店のお客に向かなくなったものを出し、別のものと取り換えることです。 所謂、交換会と呼ばれていいる取引です。従って全ての刀工の刀が市場に並ぶわけではありませんし、欲しい刀工の刀が手に入るとは限りません。

こうした事情により、お客様には、店の在庫の中から選んで頂くようになるわけで、刀工名を指定したご注文への対応は難しいことになります。

刀工名を指定してのお探しの場合は、先ずはインターネットで刀工銘を検索し探すのが一番ではないでしょうか。 あとは、直接刀剣販売店に電話して在庫の確認をして頂くことが探す方法でしょう。 店主は刀好きな人が多いですから、個人で持っている場合もあるでしょう。お願いしてみるのも一つの方法です。