継ぎ中心と云えば偽物を連想します。在銘で上身が疲れた刀の中心を切り取り、その中心の刀工作に似た別の折れた刀身とで中心を継ぎ合わせた刀です。
継ぎ方には幾つか方法がありませが、中でも古い方法と云われる三味線継の中心を今回入手しました。
これは偽物でもなく、無銘の中心を継いだ脇差です。実に不思議です。継いだ中心の長さは僅か5cmです。刀が折れたので脇差に仕立て直すなら、そのまま中心を仕立てればすむことですが、その5cmが必要であったのでしょうか、刃長は約一尺七寸あります。
この脇差は、磨上無銘の古刀が折れたため脇差に仕立てられたもので、元の無銘の中心で継いだものと考えられます。しかし、そこまでして僅か5cm延ばのには、何か別の理由があったのでしょうか興味をもちます。三味線継ぎ中心の画像