日本刀鑑賞上の注意(初心者向け)

日本刀を鑑賞する上で、初心者の方はよくよく注意しなくてはいけないことをまず知っておく必要があります。
日本刀は美術工芸品であり、高価な代物です。キズを付けたり、錆の発生につながることなどを行っては絶対にいけません。素人方はちょっとぐらいのことで大げさ過ぎるよ、などと思うでしょうがとんでもない思い違いです。補修のために何万円、場合によっては数十万円もの費用がかかる場合があります。自分の物ならともかく、人様の刀では大変なこととなります。お互い気まずい思いをしないために注意点を挙げておきましょう。

1,腕時計や指輪は刀に傷を付ける危険性があります。特に指輪は刀の中心を持った時、数百年間の時代のついた錆に傷つけることになり、これはいけません。また、ネックレスなど首から垂れ下がるものも等も、あらかじめ身につけて置かないようにしましょう。
2,刀の鑑賞中の私語は慎みましょう。私語は唾などが刀身に付着しますと錆の原因となります。
3,刀身は中心以外は絶対に素手で触ってはいけません。よく刃先を指で触る方がいますますが危険であるのみならず、刀に錆を発生させます。
4,刀身を支えるための袱紗は備えてある物を使用し、個人のものは使用してはいけません。また、その袱紗で刀身を拭うことは絶対にしてはいけません。ヒケ傷を付ける原因となります。

これらの注意点は、特に御他人様の刀を拝見させて頂く上で守らなければならない基本事項ですので、しっかり覚えておきましょう。