11月17日の大刀剣市に合わせて、今年の作刀承認試験に合格された新刀匠の祝賀会が行われ出席をさせて頂きました。
刀匠としての扉が開かれ、心も晴れやかに出発することでしょう。しかし、現在の刀剣を取り巻く環境は厳しく、刀剣に関心を持つ人達は増えつつあるようですが、愛刀家としてのレベルは高くないように思われます。
刀は金持ちの道楽と云われておりますが、それでも刀が好きだと云うサラリーマン達は刀剣書籍を買って盛んに勉強し、頑張って数百万円もする良い刀を購入していたものでした。
昨今では、経済状況とも相俟ってか、刀の良し悪しより値段を優先した庶民的価格とでも言うか、拵え付の数十万円位のものに人気があります。真に刀剣美を求める愛刀家が少なくなっているのでしょう。
こうした状況の中にあって、現代刀匠として作刀し作品を遺していくのは並大抵のことではないと思いますが、刀は永く残る物ですから頑張ってもらいたいです。