生ぶ品が欲しい。古物を扱う業者は生ぶ品を欲しがります。勿論日本刀の販売業者も同じ事です。
生ぶ品とは長く一般家庭にあった物を、そこから掘り出してきたものであって、初めて業者市場に出される物です。
古物の多くは業者間で取引されていて、Aの市場で買ったB業者はCの市場で売り、Cの市場で買ったD業者は別の市場で売ると言った具合で、市場を変えながら業者から別の業者へと渡り歩くようなものが多くあります。
古物の業界は広くありませんから、何処の業者市場へ行っても、顔ぶれが同じような場合があるのですから、あちこちの市場で同じ物が出てくれば直ぐにわかるのです。刀剣などは刀剣市場よりも寧ろ道具市場の方が生ぶ品が出やすいのではないかと言うことも考えらるわけです。
そこで市場に出回っていない、言わば古くて新鮮な物ですが、今となっては旧家かからの蔵出しなどは、出尽くし殆どないため、長年の愛好であった方の親族が遺品整理等で出される物がそれに準ずることになります。ですから古美術品の買取を大々的に宣伝する事が必要となってきます。
現代はネット社会です。オークションで落札した品を、落札した本人が再びオークションに出品するなどの行為が頻繁に行われている現状の中、如何に世間に出回って居ない物で、ユーザーに喜んで頂ける品を発掘するのかが課題となっています。